本物の川を観察できる!サケのふるさと千歳水族館
サケのふるさと 千歳水族館は、道の駅サーモンパーク千歳の敷地内にあり、サケの仲間をはじめとした淡水魚を展示する水族館です。
館内は8つのゾーンに分かれており、サケの仲間を展示する「サーモンゾーン」や支笏湖の様子を再現した「支笏湖ゾーン」、チョウザメなどに触れるタッチプールやドクターフィッシュがいる「体験ゾーン」などがあります。
中でも特徴的なのが、水族館の横を流れる千歳川の水中を観察することができる「水中観察ゾーン」で、夏の終わりから秋にかけては、千歳川を遡上するサケ達のリアルな姿を観察することができます。
サーモンゾーンの見どころ
館内に入って最初の展示がサーモンゾーンです。
スロープを下ると、館内で一番大きな大水槽が眼の前に広がり、「想像以上に大きかった!」という感想もよく聞きます。
大水槽には大きなチョウザメをはじめ、幻の魚と呼ばれるイトウや、大きくなりすぎて他の水槽からお引越ししてきたニジマスなどが展示されています。
大水槽の横には中水槽と小水槽があり、小水槽にはサケの稚魚が、中水槽には若いサケの仲間たちが展示されています。
中水槽には9月上旬頃から、千歳水族館のすぐ横に設置された「インディアン水車」で捕獲されたサケが展示され、婚姻色のブナケに染まったサケたちをたくさん見ることができます。
小水槽の稚魚はずっと同じ個体が展示されているので、見に行くたびに大きくなっていきます。ある程度大きくなると、中水槽に移されるようです。
他にも、アルビノのニジマスやベニサケ、シシャモやワカサギが展示される水槽もあります。
ベニサケが展示される時期はその赤色の美しさに思わず何枚も写真を撮ってしまいます。
またサーモンゾーンでは毎日、「カモン・サーモン・ごはんだモン」と称してエサやりタイムが行われます。
エサやりタイムは飼育員さんの解説を聞きながら見ることができ、展示されている魚たちがどんなエサを食べているかや、水槽の秘密なども聞くことができます。
支笏湖ゾーンの見どころ
サーモンゾーンから苔の洞門をくぐった先には、円形の大きな水槽があります。
支笏湖の水中を再現したこの支笏湖水槽は、実際に館長さんが支笏湖に潜って撮影した支笏湖の水中の様子が水槽の奥に投影されていて、美しい支笏湖ブルーが再現されています。
1994年に千歳サケのふるさと館としてオープンした千歳水族館は、2015年7月にリニューアルオープンしたのですが、支笏湖水槽はリニューアルオープンの際に新しく設置されました。
初めて支笏湖水槽を見たときは、青の美しさに見入ってしまったのをよく覚えています。
支笏湖水槽の名の通り、支笏湖に住む生き物たちが展示されています。
支笏湖の名産チップ(ヒメマス)、支笏湖の在来種であるアメマス、支笏湖の水中観察船からもよく見られるエゾウグイが自由に泳ぐほか、よーく観察すると、ウチダザリガニやスジエビなども見つけることができます。
実は支笏湖水槽には、千歳水族館が開館した1994年からずっと展示されていたギンブナがいたのですが、2023年8月、老衰で亡くなってしまいました。
私や息子は「ギンブナさん」の愛称で呼んでいて、ギンブナさんに会うことを千歳水族館を訪れる楽しみのひとつとしていたので、大変残念です。
癒やしの時間をありがとうございました。
支笏湖ゾーンでは、2023年8月現在、マグネット釣り堀が設置されており、小さいお子さんは楽しく遊ぶことができます。
隣の体験ゾーンは、水槽の高さなどもあり、少し大きくなってから楽しめるゾーンなので1〜2歳くらいであればこちらのほうが楽しめるかもしれません。
支笏湖水槽では、ダイバーさんによるエサやりタイムを見ることもできます。
ダイバーさんが季節やイベントによって様々な格好で出てくるのも楽しみのひとつです。
体験ゾーンの見どころ
タッチプールと円形水槽の並ぶ体験ゾーンは、その名の通り、体験がメインのエリアです。
チョウザメやウグイに触れるタッチプールは、時間によってはなかなか魚たちに触れることができないのですが、誰でもできる裏ワザを使うことで、魚たちを寄せ付けることができます。
タッチプールは水槽がすべて透明で、魚たちが泳ぐシルエットを楽しむこともできます。
タッチプールよりも確実に魚と触れ合えるのがドクターフィッシュの水槽です。
ドクターフィッシュはガラ・ルファという魚の通称ですが、ヒトの角質などを食べてくれるということで話題になりました。
千歳水族館では入館すれば無料でドクターフィッシュの水槽に手を入れることができます。
休みの日には長い列ができることも多い水槽です。
また、体験ゾーンには千歳水族館唯一の鳥類であるカイツブリのカイくんを円形水槽で見ることができます。
水槽は開放されており、カイツブリをこれほど間近で見られる施設はなかなかないそうです。
カイくんは可愛い声で鳴いたり、潜ったり、飛ぶ練習をしてみたり・・と、なかなかアクティブで、見ていて飽きません。
ほかにも実際のサケと同じ大きさ・重さのサケ人形を持って写真を撮ることができます。
2023年6月、体験ゾーンに自動販売機が設置されました。
ちょっとひと休みしたいときに便利ですね。
水辺の生き物ゾーンの見どころ
水辺の生き物ゾーンはこれまた千歳水族館唯一の哺乳類、アメリカミンクと、カエルやサンショウウオ、ゲンゴロウなどの水辺で生活する生き物が展示されています。
なんといっても一番の見どころはアメリカミンクです。
アメリカミンクの展示を行っているのは、2023年8月時点で北海道旭川市の旭山動物園と千歳水族館のみです。(※日本動物園水族館協会のWebサイト参照)
基本的には2匹のミンクが展示されており、大抵・・寝ています。
しかし、寝ている姿も可愛い。
起きているときに遭遇できるともっと可愛い。
X(Twitter)でもバズったミンクちゃん達です。
アメリカミンクの展示の向かいには、小さめの水槽に両生類や昆虫が並びます。
地味ですが・・カエルがオタマジャクシから進化していく様子を観察できたり、珍しい昆虫を見ることができたりもします。
割りと頻繁に展示が変わるエリアです。
千歳川ロードの見どころ
千歳川ロードはその名の通り、千歳川の上流・中流・下流に生息する生き物たちを展示しています。
上流にはヤマメやハナカジカ、中流にはウグイやフクドジョウ、下流にはギンブナやコイなどが展示され、千歳川の上流の自然とヒトが住む中流や下流の生き物の違いも知ることができます。
上流水槽にはアメマスやなかなか見つけることができないハナカジカがいます。
ハナカジカを見つけることができた日はラッキー!くらい、どこにいるのか分からないのですが、タラコ唇が可愛いのでぜひ見つけてみてください。
中流水槽の人気者はミシシッピアカミミガメ。
水槽と岩の隙間によく挟まっているのですが、自分から隙間に挟まりにいくそうで・・挟まったまま目をつぶって気持ちよさそうにしている姿をよく見ます。
しかし・・おっとりしているように見えてなかなかの荒くれ者で、同じ水槽のフクドジョウを頻繁に食べてしまうそうです。
私も一度現場を目撃したことがありますが、いつものゆるーい動きとは違い、機敏に動くカメさんにびっくりしました。
下流水槽はギンブナがたくさんいるのですが、支笏湖水槽にいたギンブナさんと違い、たくさんいて見分けが付きません・・。
最近はアメンボやカタツムリなども展示されています。
世界の淡水魚ゾーンの見どころ
世界の淡水魚ゾーンでは、世界各地の淡水魚を見ることができます。
デンキウナギやアリゲーターガーなどの大物から、ピラニアやスッポンモドキ、黒い身体に白いドット模様が可愛いエイのポルカドットなど、珍しい生き物も展示されています。
千歳水族館の中では一番華やかな生き物達がいるゾーンです。
ミナミトビハゼやテッポウウオ、ミナミハコフグのいる開放型の円形水槽には、たくさんの生き物が展示されていますが、中にはなかなか見つけられない生き物も・・。
特に手だけが赤いカニ、ベニシオマネキを見つけるのは至難の業で、見つけることができたら自慢できると思います。
見つけるというと、円形水槽の向かいにあるアクアテラリウムに住むエボシカメレオンもなかなか上手に隠れていることが多い生き物です。
訪れる多くの方がカメレオンを探してアクアテラリウムの前に立ちます。ゆっくりした動きが可愛く、人気者です。
コイ水槽では、平日はエサやりをすることもでき、近づくとパクパクと口を開けて寄ってきます。
コロナ禍で始まった魚パシャ☆チャレンジは、季節によって変わる顔出しパネルにコイ達が顔を入れてくれるのを待つという地味だけどうまくハマると楽しい工夫もされています。
世界の淡水魚ゾーンにもエサやりタイムがあるのですが、他のゾーンに比べると開催率は低めです。
特にデンキウナギのエサやりの様子は、普段ぽわっとしているデンキウナギがすごく活動的になる様子を見られてオススメです。
運良くエサやりタイムを開催しているときは、ぜひ見てくださいね。
水中観察ゾーン・・の前に!
全長25mのフロアマッピング
世界の淡水魚ゾーンから水中観察ゾーンへと続く通路はただの通路ではありません。
全長25mに渡ってフロアマッピングが展開されるお子さん大興奮のエリアです。
フロアマッピングの種類は50種類以上!
単純なランダムではないらしく、水族館のスタッフの方でもなかなか見られないものがあるとか・・
フロアマッピングをスタートさせるには、床に映し出される◎マークに触れるか、天井にひとつだけ光る赤いボールライトの下に立つかのいずれか。
みんな自分でスタートさせたくて、必死で◎マークと赤いライトを探します。
水中観察ゾーンの見どころ
フロアマッピングの通路を抜け、階段を降りると、ついに水中観察窓です。
7つの窓から見えるのは、本物の千歳川。
季節によって様々な生き物を観察することができます。
一番見どころの季節は秋。
遡上してきたサケを観察窓から見ることができます。
早いときは7月から観察することができるサケですが、最も遡上する数が増えるのは9月の下旬から10月いっぱいで、雨が降った翌日の午前中は特にたくさんのサケが遡上します。
観察窓のサケはインディアン水車に捕獲されるのですが、2022年の秋は過去最高の捕獲数で、インディアン水車収まりきらないサケ達が観察窓の前を埋め尽くし、全国ニュースにもなりました。
インディアン水車を見下ろす水族館横の橋から見ると、川一面がサケで・・サケの上を渡って歩けそうだと思うほどでした。
サケが多ければヒトも多い・・ということで、来館者数も過去最高だったそうです。
秋以外にもそれぞれの季節に楽しさがあります。
春は海へと向かうサケの稚魚、夏は大量のウグイ、冬は産卵するサケ。
いつ行っても同じことは絶対にないのが、この水中観察ゾーンのすごいところです。
水中観察ゾーンには、サモンくんがサケの一生を案内してくれるムービーや過去のサケの捕獲数を確認できる端末、サケクイズにチャレンジできる端末なども設置されています。
サケクイズは全問正解すると証明書が表示されますよ。
学習ゾーンの見どころ
水中観察ゾーンから世界の淡水魚ゾーンに戻り、階段を登るとエントランスに戻ってきます。
企画展などが行われる2階へのスロープを上ると、学習ゾーンがあります。
生き物の展示はほとんどないのですが、なるほど!?サーモンルームにはサケについて詳しく解説があり、千歳のアイヌ文化とサケの繋がりが知れたり、サケレシピの検索ができるなど、サケについて様々なことを学べます。
自由研究にもオススメのエリアです。
3月から5月のサケの稚魚放流体験は学習ゾーンが集合場所になります。
展示室の手前にはヘビとカメがいるのですが、このカメさん、タレントの中川翔子さん(しょこたん)が飼われていた子だそうです。
しょこたんのひいひいおじいさんの伊藤一隆さんは千歳にインディアン水車を設置したりさけます孵化場を作ったすごい人で、その縁でカメさん達が千歳水族館に預けられたそうです。
サーモンルームにはしょこたんが来館したときの写真も飾られています。
千歳水族館のおすすめ土産
千歳水族館には大きくはないですがグッズショップ「アクアショップ・チャム」があります。
サケをはじめとした淡水魚グッズ・・だけではなく、イルカやペンギンなどのグッズも扱われていますが、ここでしか売っていないオリジナル商品もあります。
詳しい商品情報は別の記事でご紹介したいと思いますが、私のオススメは千歳水族館館長の菊池さんが監修した「鮭ポーチ(全4種)」です。
元々は空港の丸亀で販売されていた鮭ポーチですが、菊池さんの監修を経て、よりリアルに生まれ変わりました。
過去には鮭ポーチの使い方を投稿する企画もあったくらい何を入れるのか悩むポーチですが、インパクト大きいです。
ちなみに私は全4種持っていて、すべて息子のおもちゃを入れています。スーパーボールを入れると産卵っぽくなります。
ショップの前にあるガチャガチャにもオリジナル商品が。
特ににぼしモチーフで様々な生き物を描くNAMIKOさんのイラストグッズが出てくるガチャガチャはオススメです。
千歳水族館のまとめ
気合いを入れて千歳水族館を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
私が初めて千歳水族館を訪れたのは、進学で北海道に引っ越してきた18歳のときでした。
本物のサケが遡上する様子を見たときは感動し、何度も通ってしまいました。
そのときの千歳水族館は昔ながらの科学館のような作りで、デンキウナギが電球を光らせたり、水の流れる向きが変わると稚魚の泳ぐ向きも変わる水槽があったりと、新札幌のサンピアザ水族館のような場所でした。
あれから約20年、リニューアルして、大人も楽しめる水族館に進化しましたが、一番の特徴である「本物の川が観察できる水族館」であり、いつ行っても違う景色が見られるということはずっと変わりない魅力です。
新千歳空港からは車で10分と、大変アクセスもいい場所です。
空港に戻る前にぜひ立ち寄ってみてください。
ちょっと時間つぶし・・では時間が足りなくなるほど楽しめますよ!
サケのふるさと千歳水族館の概要
スポット名 | サケのふるさと 千歳水族館 |
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所在地 | 北海道千歳市花園2丁目312(道の駅サーモンパーク千歳内) [Google MAP] |
URL | https://chitose-aq.jp/ |
営業時間 | 通常営業:9:00~17:00 登記時短営業:10:00〜16:00 |
休館日 | 年末年始(例年12月29日〜1月1日) 冬季メンテナンス期間(例年1月中旬〜1月末) |
入館料 | 大人 800円 / 高校生 500円 / 小・中学生 300円 / 乳幼児 無料 団体(10名以上):大人 600円 / 高校生 400円 / 小・中学生 200円 年間パスポート:高校生以上 1,500円 / 小中学生 500円 ※各種割引あり |